その昔、暮らしに欠かせなかった道具──桶。
東京・深川に静かに、ただ一軒残る職人がいる。
江戸結桶師(ゆいおけし)の川又栄風氏。
明治から続く江戸結桶司「桶栄」四代目。
江戸の時代から受け継がれた伝統的な手法で、全ての工程を一人の手作業で行う。
まさに職人。
「桶栄」の作品を手にするとザク、ザクとカンナの音が聞こえてきそう。
表面はなめらかで、塗装をせずに、美しい木目をいかすべく磨いて仕上げられたその逸品は
何十年も使うことのできるまさに「一生物」。呼吸する木の特性を見切り、いかし、結いあげる技術には
目を見張るばかり。ひとつの本物を手にする喜びには代え難く…。
親から子へ、子から孫へとぜひ受け継いでいただきたい珠玉の作品ばかりです。
伝統的な業から作り出される和モダンな作品も誕生させている。
意識をしないと手にする事のない作品かもしれないが、
ここでひとつ、江戸の業を意識をしてみることも良いのではないか。